近年、大きな地震が全国的に頻発化しています。また、気候変動により台風やゲリラ豪雨といった災害の激甚化が進んでいます。
総合防災訓練への参加だけでなく、日頃からもしもに備えた連絡方法の確認や非常持出品・備蓄品の準備を習慣化することが重要です。災害発生後、ケガをしたとき、医療が必要となったときに備えて船橋市の災害医療についてご紹介します。
船橋市が設置する「病院前救護所」を知っていますか?
9カ所の災害医療協力病院に設置!
地震が発生した時、家族などの安全を確認しますが、自身や家族がケガをしていた場合はどうしたらよいでしょうか?
船橋市では震度6弱以上の地震が発生した場合、9カ所の災害医療協力病院(二次救急病院:図1病院前救護所MAP参照)前に設置した病院前救護所で診療します。その際、医師会の医師等が参集するため市内診療所、クリニック(市医師会所属)は原則閉鎖します。重症者等へ適切な治療ができるよう、医療資源及び医療従事者が9カ所の病院前救護所へ集約されますので、身近な病院前救護所の確認をお願いします。日頃から、お近くの病院前救護所まで歩いて行くなど、複数の経路を確認してみるのもおススメです。
(図1 病院前救護所MAP) 画像をクリックすると拡大ができます。
災害時のトリアージって何?
症状に応じて行き先が変わります!
災害時のトリアージってよく耳にするけれど何をするのでしょうか?病院前救護所ではどんな治療をするのでしょうか?
病院前救護所ではトリアージと応急処置を行います。トリアージとは、傷病者の重症度を判別し、治療の優先順位を決めることで、市では図2のとおりに定めています。
トリアージの結果、「軽症」と判定された方は病院前救護所の治療エリアで応急処置を行います。「中等症以上」と判定された方は病院の中で治療を行います。また「重症」のため、その病院内での治療が困難となり転院が必要と医師に判断された場合には、より高度な医療機関へ転院となります。
なお、極めて軽度のケガなどは、自身での消毒や包帯等での応急手当となります。応急手当ができるような備えや、いつも服用している薬やお薬手帳をすぐに持ち出せる準備しておきましょう。
(図2 病院前救護所でのトリアージ) 画像をクリックすると拡大ができます。
※ 平時であれば骨折等は病院での治療になりますが、災害時には骨折していても歩けて、生命の危険がない場合には軽症として対応することになります。
図3 病院前救護所トリアージエリア
図4 病院前救護所トリアージの様子
船橋市では災害に備えた訓練を実施しています!!
病院前救護所設置・運営訓練
市では病院前救護所が設置される災害医療協力病院と連携し、発災を想定した訓練を平成30年度から定期的に実施しています。現在は、【電気・水道・通信等のライフラインが止まった状態で多数の傷病者が来院する】状況を想定して、2巡目の訓練に取り組んでいます。病院以外からも多数の医療関係団体の従事者が参加し、市・災害医療協力病院・医療関係団体間とのネットワークや連携を強化しました。
市では、避難所を訓練会場とした総合防災訓練を毎年実施しています。今年度は総合防災訓練に合せた病院前救護所設置・運営訓練を行います。
図5 傷病者の重症度を判定
図6 院内で重症者の治療をしている様子
まとめ
最後にまとめとして、災害時に備えたおすすめポイントを紹介します。
図7 病院前救護所を設置する病院一覧